心臓カテーテル の基礎⑭ 冠動脈病変に用いる ACC/AHA 病変形態分類のお話。TypeB1って?

虚血
この記事を書いた人

2014年卒
虚血
不整脈
人工心肺
透析
呼吸器
機器管理に携わってきました。
専門は災害対策です。

↓各SNSフォローお願いします。(HomeアイコンはTikTok)

※Amazonのアソシエイトとして、当メディアは適格販売により収入を得ています。

CE lifehackをフォローする
スポンサーリンク

ACC/AHA 病変形態分類とは

ACC/AHA 病変形態分類とは、冠動脈病変を形態により治療難度をA~Cの3タイプにわけた分類です。

臨床でよく耳にするのはTypeA”です。

どくたー
どくたー

あぁTypeAだからステポンだね〜

こんな感じです。

原文はこちら1988年のこちらのガイドラインです。

Guidelines for percutaneous transluminal coronary angioplasty. A report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Assessment of Diagnostic and Therapeutic Cardiovascular Procedures (Subcommittee on Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2969312/

分類項目

TypeA
(予測成功率85%以上,low risk)
TypeB
(予測成功率60〜85%,moderate risk)
TypeC
(予測成功率60%以下,high risk)
・限局性:local(<10mm)
・求心性
・病変への到達が容易
・病変の屈曲(<45度)
・辺縁がなめらか
・石灰化は無しか、ごくわずか
・完全に閉塞していない
・入口部病変ではない
・大きな側枝と関連がない
・血栓がない
・管状:tubular(10-20mm)
・偏心性
・病変近位部に屈曲がある
・病変部の屈曲(45~90度)
・辺縁が不整
・中等度~高度石灰化がある
・3ヶ月以内の完全閉塞
・入口部病変部
・二本のガイドワイヤーを要する分岐部病変
・ある程度の血栓がある
・びまん性:diffuse( >20mm)
・病変近位部に高度の屈曲がある
・高度屈曲病変(>90度)
・CTO
・プロテクト不能な大きな側枝がある。
・病変のある変性した静脈グラフト

TypeA病変って実際はかなり少ないことが想像つきますね。

臨床的には病変長だけでTypeAと言われがちですが、経験的に求心性か偏心性か見分けがつかなかったり、偏心性が多い気がします。

成功率は昔の話

成功率は昔のはなしです。あてになりません。

Type B1,B2 ってなに?

TypeBの条件が1つならTypeB1,2つ以上ならTypeB2

上記のようにB1,B2という分けられ方がされています。

が、私が読み落としてなければ、ACC/AHA のやつにはそんなことは書かれていないです。

じゃいつから言われているの?ってなるわけですが、正直わからないけどいつの間にか言われています。(知ってたら誰か教えて下さい)

色々探すと

Coronary morphologic and clinical determinants of procedural outcome with angioplasty for multivessel coronary disease. Implications for patient selection. Multivessel Angioplasty Prognosis Study Group https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2401060/

これを見つけました。ここではもうすでにB1.B2とされています。

TypeB1だと成功率84%に対して、TypeB2だと成功率76%合併症は4%にたいして10%と大きく差がでたとされています。

ちなみにこの論文の時点(1990年)ですでにTypeAは92%の成功率と書かれています。

現代のPCI成功率

ライブデモンストレーションを見ればわかりますが、PCIの成功率はとても上がっています。あくまで難易度の指標として使用するべきでしょう。

CTOに注目した論文では、

Application and outcomes of a hybrid approach to chronic total occlusion percutaneous coronary intervention in a contemporary multicenter US registry https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26189193/

91%で成功となってますね。

ただ高度石灰化は成功率が高くないようです。

まとめ

  • ACC/AHA 病変形態分類はTypeA-C の3分類。
  • だけど、B1,B2にも分かれてるし、こっちが一般的。
  • PCI の成功率の指標というよりは、難易度に使用している。

コメント

タイトルとURLをコピーしました