【 IVUS の基礎】計測の仕方

虚血
この記事を書いた人

2014年卒
虚血
不整脈
人工心肺
透析
呼吸器
機器管理に携わってきました。
専門は災害対策です。
Googleサイバーセキュリティプロフェッショナル認定済み

↓各SNSフォローお願いします。(HomeアイコンはTikTok)

※Amazonのアソシエイトとして、当メディアは適格販売により収入を得ています。

CE lifehackをフォローする

IVUS における計測の仕方です。

計測するだけなら誰でもできます。問題なのは正確さです。

スポンサーリンク

IVUS 画像は真円を探す

IVUSの原理上、冠動脈という曲がった血管では、常に血管壁に対して垂直に計測できることはありません。

真円でないと計測長が変わる理由

極端な例ですが、上記のgifのように、IVUS のトランスデューサと血管壁が垂直になる部分以外は、径が長めに評価されています。

Point

「血管を斜め切りにしている」という表現が使われます。

蛇行の強い血管では頻発します。

そこで画像上、血管が真円になる部分で測定することが重要となります。

このGifは蛇行血管に典型的な Accordion現象 が起こっている際の IVUS 画像ですが、これをみると血管を正確に測ることが不可能だとわかります。

Tips

蛇行の強い血管の場合、真円で測れる場所が healthy であるとは限りません。

その場合は、斜め切りであり正確には測れないことを伝え、短径、長径の両方を伝えると良いです。

また healthy でない部分では plaque の付き方により真円となり得ないことが多いです。

IVUS 計測方法(血管径、内径)

真円で測るべき場所を見つけたらやっと計測方法です。

IVUS では内膜や外膜は正確に判別できない

覚えておくべき部分は、内膜や外膜は判別できない。という点です。

解像度的問題

これは、OFDIで正常に近い血管のフレームですが、計測してみると内膜の厚みが0.04mmです。IVUSの分解能(0.1mm程度)からして、内膜、外膜が判別し難いと理解できると思います。

解剖学的問題

内膜

内膜と中膜を隔てるようにエラスチンと膠原細繊維の薄い波状層が存在しています。

これを IEM または、IEL と呼びます。

この IEM は、内膜と併合されています。そのためどこまでが内膜か IEM かは読みとれません。

外膜

同様に中膜と外膜を隔てるように弾性組織からなる薄層が存在しています。

これを EEM または、EEL と呼びます。

この EEM は、外膜と併合されています。そのためどこまでが外膜か EEM かは読み取れません。

Tips

内腔側から

内膜→ IEM中膜(平滑筋)EEM +外膜

という順番で層になっています。

中膜の見え方

中膜は黒い部分です。

IVUS
EEM

この黒い部分が平滑筋で、外縁(赤矢印の先あたり)を EEM と呼び、計測の要となります。

外径(血管径)

血管径は、EEM を測ります。

前述の通り、外膜が読み取れないので EEM の外縁部を計測することで、血管径として認識していることが多いです。

内径(内腔径)

内径は、血流と内膜(高輝度帯)との境界と境界を計測します。

下図のように内膜が明確でない場合、血流との境界に見える場所から計測(黄色矢印)します。

実際に血管径、内径を測るとこのようになります。

境界を見極め、円の一番短い部分、長い部分の各2本(計4本)を測ることになります。

Point

前述の真円である部分を計測場所とできている場合は、短径、長径はほぼ同じ値になります。

IVUS 計測方法(面積)

上記の計測場所をなぞるように面積を計測します。

血管断面積

EEM を血管径と近似する事が多いので、EEMをなぞります。

EEM CSAVessel Area と呼ばれます。

内腔断面積

内膜と血流部の境界を計測し、なぞります。

Lumen CSALumen Area と呼ばれます。

面積の場合、最小面積を必要とされることが多いため、MLA という呼ばれ方をすることもあります。

臨床では単に、Area を測っておいてと言われることが多いです。

Stent 断面積

Stent と血流との境界を計測します。

通常 MLA にあたる部分がStent留置後も一番狭く、その部分を計測します。

MSA と呼びます。

内径を測る際の小技

外径はわりと分かりやすいと思いますが、内径って意外と難しい。

そんな不満を取り除く機能が IVUS にはついています。

テルモ:シャトルレビュー

⇔なんかこんなマークのやつ。シャトル再生(シャトルレビュー)と呼びます。

これで境界がわかりやすくなります。

ボストン:Dynamic Review

Dynamic Reviewです。これは昔からある機能ですね。

実際の計測風景

ワイヤーシャドウ部分は正確な計測はできません。

連続性を想像して計測するようにしましょう。

いわゆる血管の三層構造って

そもそも三層構造ってのはわかりやすく説明したら…ということを理解しましょう。

前述の薄層構造のことを考慮すれば三層でないといえます。

くわえて臨床において IVUS 画像は完全に正常な血管をみることはほとんどないでしょう、大概、plaque が存在しています。

plaque は中膜から内膜に向けて連続性を持って成長していく(場合もある?)といわれていますし、中膜に石灰化が至っている病理画像を拝見したことがあります。

その場合、内膜と中膜の概念も曖昧になってしまいます。

ですので、三層って言い切るのは正しくないですかね。

参考文献

コメント

タイトルとURLをコピーしました