体外循環技術認定士 とはなにか?資格取得までのポイントも解説

体外循環
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体外循環技術認定士とは

体外循環技術認定士 とは

「医師の指示のもとで行う人工心肺等の体外循環装置を操作するための技術を有する能力」を認定するもの

https://www.jsao.org/files/gijutsu-ninteishi/nintei01-1_yoko2021.pdf

日本人工臓器学会における体外循環技術認定士試験の受験要項にはこう記されています。つまり、「人工心肺等の体外循環装置を操作する能力がある」と、日本人工臓器学会、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本体外循環技術医 学会の 4 学会に認められている人物ということになります。

実はこの資格、臨床工学技士にとっては絶対に所得しておきたい資格の一つです。

体外循環技術認定士を取得するメリット

この資格は施設認定に大きく関わってきます。

主に以上のメリットがあります。これから廃れて行く一方である心臓カテーテル業界の希望の光である構造的心疾患(Structural Heart Disease : SHD) 分野では必要な資格です。つまりこれを所得しているかどうかで臨床工学技士の価値が大きく変わるといっても過言ではありません。

TAVRでは体外循環技術認定士が必要とは明記されておらず「施設として、麻酔科医/体外循環技術認定士の緊急動員に配慮すること。」という表現に留まっています。しかし、施設認定にて心臓血管外科専門医基幹施設である必要があるとなっています。この施設になるためには体外循環技術認定士が一人在籍している必要があるため、実質的に体外循環認定士が必要であるというわけです。

またImpellaも急性期病院ではなくてはならない補助デバイスであるため、重宝されます。

最近ではECMOと組み合わせたECpella(エクペラ)とも言われたりします。

受験資格

  1. 日本人工臓器学会および日本体外循環技術医学会の正会員であること。
  2. 心臓血管外科専門医認定機構が認定する施設(関連施設を含む)において、体外循環に関する経験が下記の年数を満たす者であること。常勤あるいは常勤に 準じるものとし、アルバイトは認めない。医師(心臓血管麻酔専門医・心臓血管外科専門医)1年以上、医師3年以上、臨床工学技士3年以上、看護師3年以上、准看護師(高校卒業)4年以上、准看護師(中学卒業)5年以上
  3. 日本体外循環技術医学会教育セミナーカリキュラムを履修し、所定の単位を取得した者。
  4. 日本人工臓器学会教育セミナーを 1 回以上受講した者。
  5. 4.とは別に認定委員会が定めた日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本人工臓器学会の体外循環セミナーで 10 ポイント以上取得した者。
  6. 30 症例以上の体外循環の操作経験がある者

以下に該当する者は除く
1 精神病者または向精神薬、覚醒剤、麻薬、大麻、アヘンの常用者、もしくはその影響が認められる者
2 目が見えない者、耳が聴こえない者もしくは口がきけない者

人工臓器学会のホームページを参考にさせていただいております。

さて、冒頭より臨床工学技士しか取れないような言い方をしましたが、実は全く違います。が、いまでは人工心肺を回しているのは大抵、臨床工学技士ですので現実的には臨床工学技士が所得しているケースが多いです。

取得の注意点

前述の通りとれば良いだけでしょうと思いますが、これが実は結構落とし穴があるので、解説していきます。

受験するとなってから日本人工臓器学会に入会したほうがお得

「日本人工臓器学会および日本体外循環技術医学会の正会員であること」これは第一の落とし穴。後述しますが、この資格は取得しようと考えてから最低3年かかる資格です。

この受験資格は受験時に所属していれば、問題ありません。つまり受験するとなってから日本人工臓器学会に入会したほうが25000円(入会金1000円+年会費12000円×2年)お得です。

人工臓器学会は日本体外循環技術医学会(JaSECT)に比べやや会費が高いです。加えてJaSECTに入会すれば人工臓器学会のセミナーも受講することができますし、受講履歴の管理や体外循環技術認定士に関わる情報はJaSECTサイトで管理されます。人工臓器学会の会員ページでは取得資格など一切表示されません。

しかし、病院で建て替えていただける施設やお金に余裕のある方は人工臓器学会に入会してください。人工臓器学会様の温情で現在のシステムが成り立っていますので、いつどちらも入会していないとセミナーを受けられないとなるかわかりません。

JaSect教育セミナーは事前に受ける

受験時に3年以上の経験があれば良いので、セミナーは事前に受けておく。

ここでいう経験とはメインポンプの経験ではありません。セカンドや、業務に入るようになってからを経験とするので実際に体外循環をメインで回すようになってからでは遅いです。

年次セミナーは3年連続受験する

日本体外循環技術医学会教育セミナーカリキュラムは3年一周期で年次セミナーが開催されるために、3年連続で受験しなくてはならない。

例えば1年次セミナー(2019)、2年次セミナー(2020)、3年次セミナー(2021)といった感じで1年に1セミナーが開催されます。

受講する順番は関係ありません。ステップアップするような内容ではないのでどこからうけても問題ありません。必要なのはすべてのセミナーを受講していることです。仮に1年次、2年次と受講し、3年次を受講しそこねたらその時点で次回の体外循環技術認定士受験は可能時期は3年後の3年次セミナーを受講したあとになります。

JaSect実技セミナーも受講する

加えてJaSECT実技セミナーもカリキュラムに含まれています。これを受講し忘れないようにしましょう。また定員が数十名と少ない場合が多いので、必ず受講受付日に受講申請しましょう。

人工臓器学会教育セミナーは2回受講する

「日本人工臓器学会教育セミナーを 1 回以上受講した者。」これがまた厄介です。この教育セミナーは10ポイントついています。なのでてっきりこれで10ポイント取れたと勘違いしてしまいますが、これとは別で10ポイント稼がないといけません。

ところがこの教育セミナー以外は一回で10ポイントとれるものは存在しませんそのためオススメは2年に渡り2回この教育セミナーを受講することです。

経験症例はなるべく多く提出する

症例提出時は10例程度多く提出したほうがよいです。意外と認められないと言われる症例もあるとききます。そのために受験資格なしと判断されないように多めに症例は用意しましょう。(おそらく再提出を求められるだけだとおもいますが、真偽は不明です。)

まとめ

  • 受験時の日本人工臓器学会入会を忘れない。
  • JaSECTセミナーは事前に、3年連続受講する。実技セミナーも忘れずに。
  • 日本人工臓器学会教育セミナーは2回受講する。
  • 症例はできるだけ多く用意する。

私の受験時におけるJaSECT会員ページを載せておきます。この状態であれば受験可能です。照らし合わせて受験の参考にしてください。

試験内容についてはまた今度にします。

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