心筋梗塞とは
心筋梗塞とは:冠動脈が完全閉塞し、心筋への血流が途絶え(梗塞)、心筋が虚血となり壊死してしまう病態のことを言います。
冠動脈造影上血流が閉塞していても心筋逸脱酵素の異常がなければ定義上は心筋梗塞とはされません。
心筋虚血の存在を示唆する胸部症状や心電図変化の 存在に加え,心筋壊死を示す生化学マーカーの一過性上昇(理想的には universal definition に基づいた心筋特異性の 高い心筋トロポニンが健常者の上限値の 99 %値を超える 一過性の上昇,下降を示す急性変化)を認めることが必須条件である。
ST上昇型急性心筋梗塞の診療に関するガイドライン(2013年改訂版)https://www.j-circ.or.jp/old/guideline/pdf/JCS2013_kimura_h.pdf
心筋梗塞の種類
心筋梗塞の発症の時期により種類が分けられています。
心筋梗塞の種類 | 期間 |
---|---|
急性心筋梗塞 | 発症から72時間 |
亜急性心筋梗塞 | 72時間〜1ヶ月 |
陳旧性心筋梗塞 | 1ヶ月〜 |
急性心筋梗塞:エーエムアイ(Acute Myocardial Infarction:AMI)と呼ばれます。論文によっては24時間までとされていたりします。
亜急性心筋梗塞:リーセントエムアイ(Recent Myocardial Infarction:RMI)と呼ばれます。リーセントと呼ぶことが多いです。
陳旧性心筋梗塞:オーエムアイ(old myocardial infarction:OMI)と呼ばれます。オーエムアイということが多いです。
ニトログリセリンが有効でない場合が多いです。完全閉塞しているので血管を拡張しても血流が改善しないことが多いからです。
AMIに“MONA”はもう古い
従来、AMIの初期治療を漏れなくするように
Morphine,Oxygen,Nitrate,Aspirin
MONAと呼ばれていましたが、その中の「Oxygen」酸素投与ですが、これは有名雑誌Circulationに掲載された「AVOID試験」にて否定されています。低酸素血症でないAMI患者に酸素投与すると梗塞巣を拡げるとされています。ルーチンで酸素の投与は絶対にやめましょう。
まとめ
- 狭心症はおおきく3つある
- カテ室入室時は患者様の症状をしっかりと把握する
- 心筋梗塞は、造影上の完全閉塞だけでは心筋梗塞とはいわない
- ルーチンでの酸素投与は、梗塞巣を拡大するため絶対にしない
基礎的な内容が続いているので、もっとコアな話をできるように、はやくカテーテルの基礎をかきあげたいバル。
ひきつづきパート③をどうぞ
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