ACC/AHA 病変形態分類とは
ACC/AHA 病変形態分類とは、冠動脈病変を形態により治療難度をA~Cの3タイプにわけた分類です。
臨床でよく耳にするのは”TypeA”です。
あぁTypeAだからステポンだね〜
こんな感じです。
原文はこちら1988年のこちらのガイドラインです。
Guidelines for percutaneous transluminal coronary angioplasty. A report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Assessment of Diagnostic and Therapeutic Cardiovascular Procedures (Subcommittee on Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2969312/
分類項目
TypeA (予測成功率85%以上,low risk) | TypeB (予測成功率60〜85%,moderate risk) | TypeC (予測成功率60%以下,high risk) |
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・限局性:local(<10mm) ・求心性 ・病変への到達が容易 ・病変の屈曲(<45度) ・辺縁がなめらか ・石灰化は無しか、ごくわずか ・完全に閉塞していない ・入口部病変ではない ・大きな側枝と関連がない ・血栓がない | ・管状:tubular(10-20mm) ・偏心性 ・病変近位部に屈曲がある ・病変部の屈曲(45~90度) ・辺縁が不整 ・中等度~高度石灰化がある ・3ヶ月以内の完全閉塞 ・入口部病変部 ・二本のガイドワイヤーを要する分岐部病変 ・ある程度の血栓がある | ・びまん性:diffuse( >20mm) ・病変近位部に高度の屈曲がある ・高度屈曲病変(>90度) ・CTO ・プロテクト不能な大きな側枝がある。 ・病変のある変性した静脈グラフト |
TypeA病変って実際はかなり少ないことが想像つきますね。
臨床的には病変長だけでTypeAと言われがちですが、経験的に求心性か偏心性か見分けがつかなかったり、偏心性が多い気がします。
成功率は昔の話
成功率は昔のはなしです。あてになりません。
Type B1,B2 ってなに?
TypeBの条件が1つならTypeB1,2つ以上ならTypeB2
上記のようにB1,B2という分けられ方がされています。
が、私が読み落としてなければ、ACC/AHA のやつにはそんなことは書かれていないです。
じゃいつから言われているの?ってなるわけですが、正直わからないけどいつの間にか言われています。(知ってたら誰か教えて下さい)
色々探すと
Coronary morphologic and clinical determinants of procedural outcome with angioplasty for multivessel coronary disease. Implications for patient selection. Multivessel Angioplasty Prognosis Study Group https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2401060/
これを見つけました。ここではもうすでにB1.B2とされています。
TypeB1だと成功率84%に対して、TypeB2だと成功率76%。合併症は4%にたいして10%と大きく差がでたとされています。
ちなみにこの論文の時点(1990年)ですでにTypeAは92%の成功率と書かれています。
現代のPCI成功率
ライブデモンストレーションを見ればわかりますが、PCIの成功率はとても上がっています。あくまで難易度の指標として使用するべきでしょう。
CTOに注目した論文では、
Application and outcomes of a hybrid approach to chronic total occlusion percutaneous coronary intervention in a contemporary multicenter US registry https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26189193/
91%で成功となってますね。
ただ高度石灰化は成功率が高くないようです。
まとめ
- ACC/AHA 病変形態分類はTypeA-C の3分類。
- だけど、B1,B2にも分かれてるし、こっちが一般的。
- PCI の成功率の指標というよりは、難易度に使用している。
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