本日は ルーチンビュー についてです。
前回までのおさらいはこちらから
Cアームとは
CアームとはCの形をしたX線透視診断装置の総称。Cの形をしたアームだからCアーム。
これもCアームがついた外科用X線TVシステム
(画像引用元:島津ホームページ:https://www.med.shimadzu.co.jp/products/x-ray/06/)
いわゆるアンギオ装置(昔のなごりでシネ装置ということもあります)ですが、これもCアーム。島津さん度々すみません、指摘されたら引用やめます。(https://www.med.shimadzu.co.jp/products/x-ray/01/index.html)
ということで、Cアームってのは装置のCの部分を呼ぶわけです。臨床だと、parking potionから寝台側に装置を移動させることを「Cアームいれて」、「管球いれて」、「透視入れて」なんて言われることもあります。
Angio画像を見ている方向
そもそも、X線は管球側(Cでいう下側の出っ張り部分)からFPD(Cでいう上側の出っ張り部分)方向へでているので、イメージ的に管球側から影絵のようにみていると思ってしまいますが、実際にはFPD側からみています(画像の下側のイメージ、黒い四角内が目からみた見え方)。
角度
角度は全部患者様を基準にFPD{(lat panel detector:平面検出器)。昔は蛍光増倍管だったので(image intensifier: I.I.=>アイアイ)なんて呼ばれてました。}がどの方向にあるのか、どちらから見ている画像になるのか、ということで決められています。
4方向に大別される
その方向は大きく4つです。
LAO(left anterior oblique:左前斜位) RAO(Right anterior oblique:右前斜位) Cranial(頭側) Caudal(尾側)
これらを組み合わせて実臨床では使用します。
みてお分かりの通り、患者様からみて左が左、右が右です。
LAO30°Cra30°と角度を表記しエルクラさんじゅうさんじゅうといったりエルエーオーさんじゅうクラニアルさんじゅうといったりします。
特殊(特殊ってほどでもない)な角度
これに加えて特殊な角度が2つあります。
AP(Anterior Posterior:前後) LL(Left Lateral:左側面)
APとは
APはLAOでもRAOでもない時に使用されます。
APCranialはLAOにもRAOにも振らずにそのままCranialに振ることを指します。これはStraight Cranialとも言われストクラと言われることもあります。
反対にCaudal側にのみ振ることもAPCaudalやStraight Caudalと言います。
またLAO、RAO、Cranial、Caudalのどれにも振らないことを正面や、AP viewと呼びます。
LLとは
LLはLAO90°のことを指します。真Lateral(マラテ)なんていうこともあります。
ではRLはないのか?という疑問になりますが、心臓カテーテル領域ではほとんど使用しません。LLとRLは画像が反転して見えるだけだからです。
ルーチンビュー
ルーチンで(いつも)振る角度のことを指します。
これは病院や、設備によって異なります。
左冠動脈(Left Coronary Artery:LCA)の造影の場合
R30Cau30、R30Cra30、L30Cra30、L30Cau30
と言ったように心臓を一周するように取ることが多いです。
バイプレーンの場合メーカーによりCアーム同士が干渉してしまい、30°に触れないことがあるため、微妙に異なります。
右冠動脈(Right Coronary Artery:RCA)の造影の場合
LAO、RAOは間違いなく撮影しますが、角度が40-50と施設によりことなります。またLCra系も撮影します。
LLを撮影する施設もありますが、放射線被曝量の観点からおすすめはしません。
なぜその角度なのか
なぜその角度から撮影するのかという話は、すごく長くなるので後日それだけについて書きます。
まとめ
- CアームはCの形をしてる部分のこと。
- Angio画像はFPD側からみている。
- 角度は大きく4つ。
- 特殊なのが2つ。
- ルーチンビューは施設による。
- 角度のコアな話はまた今度。
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