Medina 分類とは
Medina分類 とは、Alfonso Medina先生らが2006年に提唱した冠動脈分岐部(coronary bifurcation)病変の分類です。
臨床では、ハイボリューム施設や学術的な病院でしかでてこない印象がありますが、覚えておく必要がある分類です。
簡単に分類を説明します。冠動脈分岐部をy字路と想像してください。そのy字路のどこに病変があるかを分けたものです。
なしを0、ありを1として全部の組み合わせは2*2*2なので、2^3=8通りです。しかし0-0-0の場合は病変ではないので、これを除いた7通りの分類にて提唱されています。
図で表すと右の図のようになります。論文からそのまま引用しています。実施の表記ですが、Medina(0-1-0)といった表記のされ方をします。
順番は左から
Medina(本幹の近位側-本幹の遠位側-側枝)
の順番で表記されます。
画像引用文献:Medina A, Suárez de Lezo J, Pan M. A new classification of coronary bifurcation lesions. [Article in Spanish] Rev Esp Cardiol 2006; 59: 183. PMID: 16540043 https://www.revespcardiol.org/en-a-new-classification-coronary-bifurcation-articulo-13085276
臨床使用の注意点
さてここで疑問が生まれます。LMT分岐部の際MB(Main branch)はどちらになるでしょうか。答えは明記されていないです。しかしながら臨床上心機能への影響が大きいとされているLMT-LADを本幹とすることの方が一般的であると考えられますので、多くはLMT-LAD-LCXと表記されます。
LCXがdominat(還流域が大きく支配的)であったりLADがhypoplasty(還流域が小さく低形成)である場合はLCX方向へStentが置かれることもあるため、この場合はLMT-LCX-LADの順番になります。つまり、Stentをメインで置いた方向だと覚えておけば問題ないです。また、レポートを書いているような施設であれば、Medina(0-1-1,SB:#11)というふうに記載すると誰が読んでも側枝はLCXとしたんだろうとわかります。
true bifurcation(トゥルーバイファケーション)とはなにか
では、臨床で耳にするtrue bifurcationとはなんでしょう。
分岐部近くに病変があるのと、分岐部に病変がるのでは大きく難易度が違うことから、本当の分岐部病変ということで、このように呼ばれています。
Medina分類でいえば(1-1-1)、(0-1-1)、(1-0-1)がtrue bifurcationと言われます。
実際に近くに枝が存在しているだけではそちら側にStentを入れたりする必要はなく、wire protectionだけで手技を終わることができます。一方どちらにも病変が存在している場合はそうは行きません。complex stentingの可能性が格段にあがります。
しかし、この論文だと古典的なtrue bifurcationは1-1-1、0-1-1とした上で1-1-1のみと比較検討しているので、1-1-1のみをtrueというようになるかもしれないですね。
実は論文によって1-1-1,0-1-1のみをtrue bifurcationとするものがあります。本幹、側枝どちらにも50%以上の狭窄があることが定義とされていることが多いから曖昧であると考えられます。
true bifurcation関連論文
- https://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/79/9/79_CJ-15-0264/_article
- https://www.revespcardiol.org/en-a-new-classification-coronary-bifurcation-articulo-13085276
- https://www.revespcardiol.org/es-evaluation-of-strategy-for-treating-articulo-13139372
まとめ
- Medina分類は7通り。MB-MB-SBの順番。
- true bifurcationは1-1-1,0-1-1,1-0-1の三通りだが(1-0-1)は外される事がある。
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